【こんな症例も治りますシリーズ 820】『 セカンドオピニオン診療: 骨髄の病気を疑われていた猫さん、実は腸の病気が関与だった症例 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、小腸の縦割り断面エコー検査像です。

■ この腸管壁の厚みは、通常の2倍ほどです。

 

 

― セカンドオピニオンで見えてきた、本当の原因 -

猫 ミックス猫 14歳 オス(去勢手術済)

 

 

◆◆ 【 慢性的な嘔吐と下痢を主訴に、セカンドオピニオンの診察をして欲しい 】 とのことで来院されました。

 

 

■■ ご相談時の状態

 

 

■ この猫さんは、
慢性的な嘔吐と下痢が続いており、
他院で血液検査を行ったところ、
白血球数と血小板数が少ないことが分かりました。

 

 

■ その結果から、
骨髄の病気の可能性を指摘され、
不安を感じながら当院を受診されました。

 

 

 

 

■■ 当院での検査で分かってきたこと

 

 

■ まず院内で血液検査を再評価したところ、
骨髄の機能低下を強く疑う所見は認められませんでした。

 

 

■ そこで、
血液の異常だけで説明できる状態なのかという視点で、
さらに検査を進めることにしました。

 

 

 

 

■■ 画像検査で見えてきた所見

 

 

■ これまでの診察では、
血液検査のみが行われており、
画像検査は実施されていませんでした。

 

 

■ 腹部超音波検査を行ったところ、
腸管壁の肥厚が確認されました。

 

 

■ この所見から、
炎症性腸疾患(IBD)や腸管リンパ腫など、
消化管の病気が疑われる状態であることが分かりました。

 

 

 

 

■■ 診断と治療の考え方

 

 

■ 腸管壁肥厚が認められる場合、
内視鏡検査や生検による確定診断を行うこともあります。

 

 

■ しかし今回は、
全身状態が比較的安定していたこと、
高齢であること、
ご家族のご希望を踏まえ、
まずは食事療法に対する反応を見る方針を選択しました。

 

 

 

 

■■ 経過について

 

 

食事療法を開始したところ、
嘔吐は消失し、
下痢も改善しました。

 

 

■ 現在は、
食欲や元気も回復し、
良好な状態を維持できています。

 

 

■ この経過から、
腸管のアレルギー性疾患を含む、炎症性疾患、
もしくは低悪性度のリンパ腫の可能性が考えられました。

 

 

 

 

■■ セカンドオピニオンについて

 

 

■ セカンドオピニオンは、
これまでの診断や治療を否定するものではありません。

 

 

■ 今回の症例のように、
検査の視点を少し変えることで、
病気の見え方が大きく変わることもあります。

 

 

 

 

■■ さいごに

 

 

■ 慢性的な嘔吐や下痢が続く場合、
原因が一つとは限りません。

 

 

■ この症例が、
同じような症状で悩んでいる猫さんとご家族の、
参考になれば幸いです。

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

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